今と昔の悩みの違い

昔の人はどんななことで悩んでいたのか?
そのヒントが
人類文明発祥の地とされるメソポタミアで発見された
紀元前1750年頃の古バビロニア時代に、
書かれた粘土版の文字が、
現在、ロンドンの大英博物館に展示されています。 
 
 
 
ここには、いったい何が書かれているのか。
大昔の人が考えた神や宇宙についての真理や、
考古学的な価値のある古代人の知恵なのか?
発見した歴史学者は、
そうした高尚な内容を期待したかもしれません。
 
 
 
それが、楔形文字を1文字1文字解読してみると、
こんな内容であることがわかったそうです。
「店に『いい銅の延べ棒を渡しますから』と
 約束されて金を払ったのに、
 ひどいのをつかまされた」
「『欲しいのでしたら差し上げますが、
 いらないのならお帰りください』だと?」
「ちきしょう店の野郎、
 おれを誰だと思ってるんだ?」 
「ほかの客にもこんなナメたマネをするのか?」
 
今から3800年前の人類が我々に残した遺産は、
あこぎな取引をされた客の、
やり場のおさまらない怒りの発露だったのです。
 
 
 
メソポタミアともう一つの人類最古の文明、
エジプトで3200年前に書かれた
「パピルス」と呼ばれる今の紙の原型が、
同じ大英博物館に収蔵されています。
そこからは、ツタンカーメンの墓が
ある当時の首都テーベ郊外で暮らした、
ケンペルケプシェフという実在の人物が
書き残したひとりの庶民の人生を、
少年時代から追跡することができます。


パピルスによれば、ケンペルケプシェフという人は
「勉強しないとダメな大人になるぞ」と
父から言われて育ち、
当時のエリート職である「書記」をめざしました。
思春期を迎え、少女に恋をして、
17通の愛の詩を贈ったことが刻まれています。
彼はその後晴れて書記となり、
《王家の谷》というところで「墓造り職人」の
監督をする職に就きます。
 
 
 
ケンペルケプシェフの仕事は王墓の建設のために
部下を管理することでしたが、
部下たちの「出勤簿」には、
好き放題な欠勤理由が書かれていました。 
「自分の誕生日のため2日休み」 
「サソリに刺されたから休み」 
「ミイラ作りがあるので休み」 
「二日酔いのため休み」 
 
 
 
上司は上司でこれまた口うるさい人だったようで、
その付き合いかたを説いた言葉が記されています。
「上司の命令には逆らうな。
 部下であるかぎり上司の言うことは絶対だ」 
「上司の言葉がためになることだってある」 
部下である自分に言い聞かせるしかない苦しみが伝わってきます。 
 
 
 
真面目にやらない部下と、口うるさい上司。
ケンペルケプシェフはその板ばさみから
ストレスで不眠に悩まされます。
眠れぬ時のおまじないである
「悪夢よ、退散せよ!」と書いた
パピルスを彼はお守りに入れているほどでした。 



ケンペルケプシェフは仕事では
上司や部下に悩まされながらも、
恋をしたり食事を楽しんだりと
人生を謳歌しながら、
43年にわたって書記の職を全うし、
60代後半でこの世を去っています。
 
 
 
紀元前に生きた人も、
現代人の私たちと同じようなことを望み、
同じようなことで悩んでいたことが見えてきます。
もう、人間である以上は悩みを抱えていることが
当たり前だと思えるのではないのでしょうか? 
 
 
 
良い意味で悩んでいる自分を
しょうがないかとあきらめることができたら
悩みが必要以上に深刻にならずに 
いられるように思えます。
そうやって少し悩みから距離を置くことができたら
また違った角度から物事を見ることができるので
楽になっていけるのではないのでしょうか?
 
 
 
深刻に悩みを抱えていると
どんどんと深みにはまってしまいます。
3000年も前から続いている悩みだから
まあ、仕方がないかと良い意味で
あきらめることも大切だなと思いました。
 
 
 
 
ありがとうございました。






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2019年01月14日|2019年:1月