聴くこととは
聴くというのは、簡単そうに思えますが、奥が深いものです。皆さんも経験あると思いますが、愚痴を聴かされると、とても疲れてしまいますよね。聴くというのは、愛情と忍耐とテクニックがないとできない作業だと言えます。
ここでは、聞き上手になるコツを書かせていただきました。
相手に尊敬の心を忘れない

どんな時もそうですけど、相手のことを粗末に扱っていたり、見下している人には警戒態勢をつくって防御してしまいます。そんな状態で心を開けるかというと、閉じてしまいますよね。
そうならないためにも、目の前の人に対しては、敬意をはらい、かけがえのない尊い人物だという気持ちで接することが必要になってきます。特に人に言えないような悩みを扱ううえで、話をしてくれる人に対しては、尊敬の心がとても重要になってきます。
そうやってはじめて、誰にも言えない心の奥の気持ちを、この人だったらわかってもらえるという気持ちになることでしょう。尊敬の気持ちでいられると、相手のどんな考えや感情であっても批判しないで、ありのままに受け止めることができるようになります。
相手のことを尊敬しようと思ったら、自分のことを尊敬できていないと難しいです。自分のことを受け入れた分だけ相手のことも受け入れる器ができますからね。
こころで感じる

悩みを聞くときに自分で気を付けていることがあります。それは、なるべくこころで聞くようにしています。 相手のこころと寄り添って、どんなことを感じているのか、相手の立場でものを見て、考えるように心がけているのです。
相手の立場だったらどうなのか?
その時の感情は?
どう感じているのか?
相手の痛みを自分のもののように想像力と自分の感覚を掘り起こして感じようとしています。
相手を通して自分と向き合っているような感覚です。それが心で聞くということなのかなと思っています。頭を使っているように見えますが、心に問いかけていることの方が大きいです。
イメージ的には、胸のあたりで相手を感じ取って、相手とつながって一体になるような そんな感じでしょうか。そこで出てくる痛みは相手の痛みでもあるし、自分の痛みでもある。だから相手を癒すのではなくて、自分の傷を癒すようにやっています。
相手の立場に立てないと他人事だったり、上から目線だったり、こちらの思いを押し付けるような一方的なものになってしまうように思っているからです。 本人も気づいていない心の奥にある本音を感じ取るようにするには、こちらも心で感じ取ることが大切になってきますからね。うまくできる時は、つながりができて一体感が生まれている錯覚になります。
胸のあたりのハートで聞けるように心がけています。
心に届くメッセージ

よく正論を言う人をテレビとかで見かけます。ギャンブル依存の人に、ギャンブルなんてお金の無駄だから やってはいけない。なんとかして止めるようにしなさい!!リストカットしている人に、そんな自分の体を傷つけてどうするの?リストカットなんて止めなさい。
たしかにギャンブルなんてしない方が良いし、リストカットなどもやめた方良いでしょう。だから、止めなさい!!と言葉として言うのは正しいことで、間違っていることを言っているわけではないです。
でも、不思議とそういう安易に口にする言葉はとっても軽いのです。
「~しなさい」「~してはいけません」それは誰もがわかっていることでもあります。でも、それが止めれないから苦しいのであって、簡単に上から目線でギャンブルなんてやめなさい。リストカットなんてするものではない!と言っても何の効果もないどころか、マイナスに作用してしまうことの方が多いでしょう。そこには相手を理解しようとする気持ちは全くないからでしょう。どちらかと言うと自分の考えを理解させようと力が入っている状態です。
そして、始末が悪いのは、そういう注意をする人は善意でやっていて、相手が自分の言うことを聞こうとしないと
「私の言う通りにしないなんてひどい」
「せっかく言ってあげているのに!!」
「もう好き勝手にやりなさい」
と好意を受け取ってくれないことに対しての逆ギレを起こすこともあります。本人は良いことをしていると思っているかもしれませんが、実は相手を傷つけているということって良くあります。
本当の支援とはどこまでも相手の立場を理解しようとする姿勢が大切だと思います。
なぜギャンブルをやってしまうのか?
やっている時の心境はどうなのか?
どんなことを感じているのか?
いつごろそうなっていったのか?
本人はそのことをどう思っているのか?
など深く相手のことを理解しようと思ったら本人にいろいろと聞いていくと思います。
そして、自分の心にも当てはめて、もし自分が相手の立場だったらどんな感情が湧いてくるだろうか?どんな対応をするのか?相手の立場に近づけるようにします。
相手と同じ心境にはなれなくても、想像をめぐらせて近づける努力はできると思います。
そのような理解する作業をしていくことで、上から目線ではなくて、より対等な立場になっていくのだと思います。そこから出た言葉と言うのは相手の心に届きやすいはずです。
きっと上から目線の理解のない
「~してはいけない」
「~しなければいけない」
などという言葉は出てこないと思います。
どれくらい相手の立場に立って物事を考えることができるのか?とっても大切なことです。
良いことを言おうとしない

僕たちは悩みを話してもらったときに、すぐに解決してあげなればいけないと思ってしまいがちです。特に男性はそれが強いと思います。
悩みを聞いていると、つい「そこはこうしたら良くなるのに!!」と伝えたくなる欲求は、とっても強いものです。相手の心に残るようなアドバイスを言おうとしてしまいがちです。その良いことを言おうとする欲求を抑え、純粋な興味をもって相手の話に聴き入ること、これはなかなか難しいと思います。
皆さんも一度は経験されたと思いますが、悩みを話したら、これはこうした方が良い、ああしたらよいと延々とアドバイスを聞かされ、余計にストレスがたまったことありませんか?
とくに女性は悩みを解決してほしいのではなく、ただ、自分はこんな思いをしているということをわかってほしいだけ。ただ、黙って聞いてほしいだけの場合が多々あります。それでスッキリとして癒されるものです。
だから、どれくらい良いことを言おうとする欲求をおさせて、ただ相手の話に耳を傾けることができるか、気持ちに寄り添えることができるかが聴き上手の道ですね。
どれくらい知らないという姿勢でいられるか

そこで、相手をどれくらい相手のことを知らないという姿勢でいられるか?これは逆の立場を考えてみるとわかると思いますが、「わかる、わかる」と言って、すぐに相手はこういう人物だと決めつけてしまったり、悩みを話してもらっても、この悩みはこのパターンだから、きっとこうに違いないと決めつけてしまう。決めつけてしまっては、そこから聞くこともしなくなりますよね。
そうではなくて、これはもしかしてこういうことなのかもしれないと心の中で思っていたとしても、決めつけずに、どんなことでも相手に聞いていく。先入観で相手を見ないということです。
人間は、同じような出来事が起こると、過去の経験を当てはめてしまって、勝手な憶測で判断してしまいがちです。その勝手な判断をどれくらい手放して、目の前の人のことは全然理解していないのだ!という気持ちで聴くことができるか。
知らない姿勢で聴き続けると、思ってもみなかった事実が出てきたりします。そこではじめて自分の勝手な判断は間違っていたのだとわかるのですけど、悩みを聴いているときは、自分の判断が出てきているのでわからないものです。
どれくらい相手を決めつけずに「相手のことは何もわかっていないのだ」という姿勢でいられるかが聴き上手の道です。
人を見る目がない

カウンセリングをしているとちょっと見ただけで、この人はこういうタイプの人だと見抜けるようになるのかと思われる人がいるようですが、そんなことは全然ありません。
逆に僕は相手のことなんて、まったくわかっていないし、人を見抜く能力なんてないと思ってやっています。
特別な能力がある方は名前からとか、 相手を感じただけでその人がどんな人かを見抜いて、適切なアドバイスをされているのを見て、すごいなと思うことはあります。
あなたはこういうところがあるから、こうした方が良いと言えると有名な細○数子さんの「ズバリ言うわよ」的で見ていて気持ちが良いですからね。
でも、カウンセリングのように、お客さん本人が自分と向き合いながら自ら答えを探していく作業をするのに、相手のことをわかりすぎるというのは合わない能力だと思っています。
人はわかっていることに対しては知ろうという意欲を持てないですからね。
僕は全く相手のことなんて知らないし、見抜く能力なんてゼロだと思って、限りなく自分の先入観を相手に持つことなく、真っ白な状態で話を聞かせていただく努力をしています。
相手のことがまったくわかっていないから、なぜこの人はこんなことをするのか? どんな考えを持っているのか? そうなってしまう背景にはどんなものがあるのか?
などと、わかろうと努力していろんな質問をすることができます。
できるだけ、似たような人を当てはめることをしないで、その人を真っ白な状態で見ることができるのか?いかに相手の心の中にある思いや感情などを引き出すことができるのか?
気を付けていることです。
お問い合わせ・ご予約はこちらから
電話でのご予約・お問い合わせはこちらから
090-1392-0711
受付時間:10:00〜19:00
※完全予約制(不定休)